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亮二は思った。



あの時、春子はきっと……。



確信が持てた訳ではない。



全ての謎が解けた訳でもない。



しかし亮二は、自分が思ったことが間違いではないような気がしていた。



あの時、春子はきっと……。



「夏子……君は、本当は……春子のお姉さんかお兄さんの子供じゃないのか?」



夏子は、亮二をじっと見つめたままこう言った。



「……そう、だと思う。たぶんママのお姉さんの……でもね……」


「……でも、なんだい? 夏子……」


「ママは、そのことについて何も話してはくれなかったの……」



夏子は、ひとつ大きく息をついて言葉を続ける。



「ママが亡くなった後、調べようと思ったの……戸籍を……でも、どうしてもそれは出来なかった……知ってはいけないような気がして……」


「そう、か……」



あの時、春子のお姉さんは突然亡くなったに違いない。



それは事故なのか、病気なのか良く分からないけれど。



そして、春子はまだ1歳にもならない夏子を引き取った。



いや、引き取らざるを得なかったに違いない。



だから……春子は、あの時……俺の気持ちを確かめたのかもしれない。



俺の本当の覚悟を確かめたくて……。