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亮二は、夏子の言葉に呆然としていた。



やはり、夏子は……あのときの、俺の子供……?



「ねぇ、亮ちゃん……どうしたの?……あたしの歳がどうかしたの?」



夏子は心配そうな目をして、亮二を見つめていた。



「いや、別に意味はないよ……君の歳が知りたかっただけさ……」



亮二は、そう言いながら無理をして微笑む。



そうか……夏子は18歳か……。



亮二は冷静に見せながら、それでもかなり動揺していた。



そうだとしたら、どうして春子は……。



どうして、春子はあのとき黙っていたのだろう?



亮二は、ずっとそんなことを考えていた。



「やっぱり亮ちゃん、変だよ……もしかして、亮ちゃん……」



夏子が心配そうな顔をして、俯きかけた亮二の顔を覗き込む。



「ねぇ、亮ちゃん……亮ちゃんは、あたしのこと本当の娘じゃないかって思ってるよね?」



核心を突く、夏子のそんな言葉に。


亮二は、ただゆっくりと頷くしかなかった。



「亮ちゃん……あたし……亮ちゃんのことが好きだよ……あの写真を見つけたときから、ずっと……」



真っ直ぐに亮二を見つめる夏子の視線を。


そのときの亮二は、しっかりと受け止めることが出来ないでいた。