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亮二は、その時確かに感じていた。
俺は、間違いなく春子を愛していた。
それなのに、俺は……。
どうしようもない後悔の念を感じながら、亮二は涙を流し続ける。
そんな亮二を、夏子が優しく見つめていた。
でも、どうして春子は俺から離れて行ったのだろう?
春子が消えてから、ずっと考えていたそんなことを今また亮二は考え続けていた。
あの時、春子は妊娠していないと言った。
でもそれは、本当のことだったのだろうか?
そして、もしあの時本当は妊娠していたとしたら……。
夏子は、やはり俺の子なのだろうか?
もし、夏子が今18歳だとしたら。
きっと夏子は、あの時の子供に違いない。
もしかしたら、夏子は俺の……。
亮二は流れる涙をやっと拭って、じっと夏子を見つめる。
夏子を見つめる亮二の視線を、夏子はまっすぐに受け止めていた。
「ねぇ……亮ちゃん……あたし……ずっとあなたを捜していたの。ママが持っていた、あなたの写真を見つけてから、ずっと……」
夏子が、自分を亮ちゃんと呼んでいる……。
亮二は、そんな事実に恐怖を感じていた。
俺は、もしかしたら君の父親かもしれないのに……。