24
独り部屋に戻った亮二は、カウチソファーに腰掛けながら考える。
なぜ春子は消えたのだろう?
本当に、春子は妊娠していなかったのだろうか?
ザワザワする心と戦いながら、亮二はこのあとどうするべきかと考えていた。
俺は、春子のことを何も知らない……。
春子が通っていた大学も。
春子の友達のことも。
そして、春子の実家の連絡先も……。
俺は、春子の何を知っているというのだろう?
俺は、春子の何を見てきたのだろう?
そんな事実に、今更ながら亮二は自分の不甲斐なさを思い知らされていた。
亮二は、仕事の合間を縫って春子のアパートに行く。
しかし、当たり前だが何も起こりはしない。
ドアを開けると、春子が嬉しそうに俺を見つめていた……。
そんなことを思い出しながら、亮二は涙ぐむ。
俺は、情けない男だ。
失って初めて自分の罪に気づくんだから……。
俺は、結果的に春子を捨てたんだ。
亮二は、そんな風に自分を責め続けていた。