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「俺を試したっていうのか、春子……本当に……」



春子は、キッとした表情で亮二を見た。



「そう……試したの……」



亮二は、春子に言葉にカッとしてしまった。



「あぁ、分かったよ……良かった、子供がいなくて……」



そのとき春子は、本当に悲しそうな顔で亮二をじっと見つめた。



しまった……。



そう思っても、もう遅かった。


亮二はもう、後に引けなくなっていた。



「分かった。もういい……じゃあ、な……春子……」



亮二は、きびすを返して春子の部屋の前を離れた。



そのとき、亮二は振り返ることが出来なかった。



振り返ったときに、もしもそのドアが閉じられていたら……。



そう思うと、亮二は怖かった。



深夜の東池袋の町を、亮二はアテもなく歩いた。



春子とは、少し時間を置いたほうが良いのかもしれない……。



亮二は、そんな風に考えていた。



しかし……。



春子は、なぜあんな嘘をついたのだろうか?



あんな嘘をつくヤツじゃないのに……。