19
「亮ちゃん……どうして連絡くれなかったの? やっぱり……迷惑だった?」
春子の真剣な表情に、亮二は動揺していた。
そして亮二は、春子に連絡出来なかった自分の情けなさを責めていた。
だから亮二は春子のそんな言葉に、何と返事をしたらいいか迷っていた。
「やっぱり、何も言ってくれないんだね……分かった。良く分かったわ、亮ちゃん……」
「ちょっと、待てよ……分かったって、何が分かったって言うんだ?」
春子は、その大きな瞳に涙を溜めながらじっと亮二を見つめていた。
そして、しばらくの沈黙の後春子は言った。
「ごめん、亮ちゃん……。赤ちゃんが出来たって言うのは嘘なんだ……」
「えっ?」
亮二は、春子の言葉に呆然としていた。
そして、そのとき亮二は。
正直、ホッとしていたのだ。
子供はいない……そうか……良かった……。
少し冷静さを取り戻した亮二は、春子に言った。
「嘘って、いったい……本当なのか、春子……」
春子は、亮二の顔から視線を外しながら言った。
「確かめたかったのよ……亮ちゃんの、本当の気持ちを……」
亮二はそんな春子の言葉に、ショックを受けていた。
そして亮二は、少しずつ春子への不信感を感じ始めていた。