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やっぱり、見つからないか……。

そりゃ、こんなに多くの人がいるんだから……。


仕方ないよな……。



夜になって、仕事が終わったあと。


亮二はため息をつきながら、昨日と同じくバス停の列に並んだ。



明日からは、この場所に来ることもない。


昨日のことは、幻だったのだろうか?



昨日とは打って変わって、すっきりと晴れた星空を亮二は見上げた。



春子に逢いたい……。


もう一度、彼女に……。



そう願いながら目を閉じた亮二は、昨日の春子の姿を思い出す。



水色の傘の色が、亮二の目の奥に見えた気がした。



ゆっくりと目を開いた亮二は、視界の左隅に確かに春子の姿を見た。



春子!?



亮二は、せっかく並んだ列を外れて春子を追う。



夢中で追う亮二の目の前に、確かに春子の後姿が映った。



「春子さん! 待って!」



驚いたように振り返った春子は、亮二の顔を見てニッコリと微笑んだ。



あぁ、俺はこの笑顔が見たかったんだ……。



湧き上がる、そんな感動にも似た感情を亮二は素直に感じていた。



そして、ふたりは恋に落ちた。