14
バスが終点の有楽町に着く。
いつの間にか、雨は上がっていた。
バスを降りた亮二は、春子に礼を言った。
「本当にありがとう!助かりました……あの……名前だけでも教えてもらえませんか?」
春子は、ハニカミながら亮二に小さな声で言った。
「はるこ……春に生まれたから、春子……」
手を軽く振りながら、春子は人込みへと小走りに溶け込んで行く。
亮二も軽く手を振って応えながら、そんな春子の後姿を見送った。
JR有楽町の駅から山手線に乗った亮二は、電車に揺られながら思っていた。
かわいい娘だったよなぁ……。
イベントのコンパニオンだろうか?
いや、あの時間にバスに乗り込むと言うことは間違いなくそうだろう……。
俺は、また春子に逢えるだろうか……。
逢いたい、な……。
次の日。
亮二は仕事で、また晴海のイベント会場にいた。
晴海の国際見本市会場では、大きなイベントが連日開催されていた。
ということは、コンパニオンの数も半端なく多いということだ。
俺は春子に逢えるのだろうか……。
そんなことを考えながら、亮二は仕事の合間に春子の姿を捜す。
そして、また偶然。
亮二は、春子に出逢った。