改札前に独り残された亮二は、あっけに取られていた。



いったい、何だったんだろう?



狐につままれたような出来事に、亮二は苦笑いする。



山手線の電車に揺られながら、亮二はさっき出逢った少女のことをボーっと考えていた。



キレイな娘だったよなぁ……。


でも、なんで俺なんかを傘に入れてくれたんだろう?



単なる気まぐれ?


やっぱり、からかわれただけだったのかな?



まぁ、ボランティアみたいなものなんだよな……きっと……。



亮二はガムを食べようとして、モンクレールのダウンのポケットに左手を突っ込んだ。



あれ……?



タバコのハードパックのそばに、何かある。


突然、指に触れた冷たい感触に亮二は身震いする。



何だ、これ……。


何で、こんなものが?



恐る恐るポケットの中にある、それを亮二は取り出した。



ポケットの中には、何故かあるはずのないものが入っていた。