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『冷たい風と温かい心』



地下鉄のホームに、独り佇みながら。


ぼくは、君を想う。



こんな遅い時間だから。


次の電車が来るまでには、少し時間があるんだ。



ぼくの声が聞きたいと言った。


君からの留守番電話のメッセージが。


ぼくは、とても嬉しかった。



君が、ぼくをちゃんと見ていてくれる。



その事実だけで、きっと。


ぼくは、幸せなんだから。



ホームに入って来た電車が。


冷たい、人工的な風を起こす。



だけど。


今のぼくには、それが心地良かった。



だって。


今は、とても温かかったから。



うん。


君のことを想う、ぼくの心が。



とても、ね……。



『冷たい風と温かい心』