18
『雲の向こうの満月』
十五夜の月を楽しみにしていた、ぼくは。
今夜の曇り空に、すっかり落胆していた。
君と一緒に見る満月を。
ぼくは、本当に楽しみにしていたから。
離れて暮らす君と。
ぼくは、同じ月を見たかった。
電話やメールで君と繋がっていても。
ぼくは、やっぱり寂しいんだ。
同じ月を見ることは。
きっと、距離を飛び越えるように。
ぼくと君の心は、ひとつになる。
そんな気がするから。
曇り空を見上げながら。
ぼくは、君を想う。
雲の向こうにあるはずの。
大きな月を見ようとして。
君への気持ちを。
もう一度、強く持とうとして。
『雲の向こうの満月』
了