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『雲の向こうの満月』



十五夜の月を楽しみにしていた、ぼくは。


今夜の曇り空に、すっかり落胆していた。



君と一緒に見る満月を。


ぼくは、本当に楽しみにしていたから。



離れて暮らす君と。


ぼくは、同じ月を見たかった。



電話やメールで君と繋がっていても。


ぼくは、やっぱり寂しいんだ。



同じ月を見ることは。


きっと、距離を飛び越えるように。



ぼくと君の心は、ひとつになる。



そんな気がするから。



曇り空を見上げながら。


ぼくは、君を想う。



雲の向こうにあるはずの。


大きな月を見ようとして。



君への気持ちを。


もう一度、強く持とうとして。



『雲の向こうの満月』