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『君からのメールが届かなくても』
ぼくの誕生日に君からのメールが届かなくなってから。
もう何年経ってしまったのだろう?
ぼくたちの濃密な関係が壊れてしまった後でも。
必ず君は、誕生日にメールをくれた。
心が離れてしまったとしても。
その、ほんの一部だけでも繋がっている。
メールを受け取った、ぼくは。
その瞬間だけでも、そう思えて幸せだった。
歳を重ねるということは。
そういった思いを重ねることなのかもしれない。
忘れられること。
忘れられないこと。
様々な積み重ねが、今のぼくを作っている。
君からのメールが届かなくても。
ぼくは、幸せなのかもしれない。
君を愛せたことは。
ぼくの人生の宝物だと信じられるから。
ぼくは、小雨に降られながら。
ふっ、と笑おうとした。
あの頃の、君の。
笑顔を思い出そうとして。
『君からのメールが届かなくても』
了