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『ただ、ひとつだけ輝く星』



会社からの帰り道。



真っ暗な遊歩道を歩きながら。


ぼくは、夜空を見上げる。



朝は、あんなに青空だったのに。


今は、星一つさえ見えなかった。



仕事に忙殺されながら。


ただ、時間だけが過ぎて行く……。



どんよりとした曇り空を見上げて。


ぼくは、一つため息をついた。



そのとき。


ぼくのケータイにメールが届いた。



Sub : お誕生日おめでとう(^O^)/



お誕生日おめでとう!(*^o^)乂(^-^*)


今日、誕生日だょね?(^O^)



おめでたい歳でもない……か?(^_-)☆



うそうそ!冗談だょ!(^_^;)



とにかく誕生日おめでとう!(^O^)/



今度の土曜日、ふたりで誕生会しようよ!(=^▽^=)



逢いに行ってもいい?(//▽//)




まったく……。



ぼくは、苦笑いしながら。


ケータイの画面を見つめる。



ケンカしていたはずなのに。


まったく、君は……。



でも。


ありがとう。


君のおかげだよ……。



さっきまでの気分が嘘のように。


スッキリと晴れていた。



ぼくは、君へメールを書き始める。



誕生日は、ホントは。


明後日なんだけどな……。



なんてことを考えながら。



ふと見上げた夜空には。


明るい星が、ひとつだけ輝いていた。



うん。


確かに……。



『ただ、ひとつだけ輝く星』