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『鉛色の雲の先に』



分厚い、鉛色の雲から。


冷たい雨が、サラサラと降り落ちていた。



透明な傘越しに見る、そんな空に。


ぼくの心も、沈んでいた。



君のメールを読んでから。


ぼくは、ずっと不安な気持ちを抱えていた。



だけど……。



そのとき、ぼくは気づいたんだ。



分厚い雲の先には。


間違いなく、明るい太陽がある。



だから……。



ぼくは。


そんな鉛色の空を見上げながら、思い直す。



ポケットからケータイを取り出して。


君へのメールを書き始める。



もう一度、君と。


ちゃんと話をするために。



太陽のような。


君の笑顔を、もう一度見たいから。



『鉛色の雲の先に』