22
宇賀と圭子は、店の奥にあるカップルシートに案内された。
テーブルの角を挟むように、ふたりは斜めに並んで座る。
「この店ってさ、なかなか予約取れないんだ……だから、今日はラッキー!」
宇賀は、そう言って楽しそうに笑う。
「なんか……宇賀さんって、いろいろキッチリしてますよね!」
圭子は、イヤーな予感をもう一度押し殺すように宇賀に言った。
「そうかな? 自分じゃ、全然そんな風には思ってないけどね! まぁ、とりあえず乾杯しよっか?」
宇賀と圭子は、ウェルカムドリンクのシャンパングラスを重ねた。
チンッ、という音が小さく響く。
それはまるで、圭子にとってのゴングのように。
さあ、これからが勝負よっ!
まずは、宇賀さんをちゃんとわたしに振り向かせないとっ!
圭子は、そんなことを心の中でつぶやきながら最高の笑顔で言った。
「ふたりの、運命の出逢いに乾杯っ!」
吉田桂子が古田桂子を演じます!
『吉田 桂子のひとり芝居 3