36 『透明な雲に隠れる君』



君への気持ちを押し隠して。


ぼくは、爽やかに微笑みながら。


君を見送った。



好きになってはいけない。


そんなことは、ぼくだって良く分かっている。



だけど、君の笑顔を見るたびに。


ぼくは、苦しくなってしまうから。



ぼくは、夜空に向かって大きく伸びをした。



ふと見上げた夜空には、雲一つない。



チラチラと弱く輝く星と。


明るく輝く、大きな月が見えた。



ぼくは、君を諦める。



そんな決心をしながら。


ぼくは、確実に心の痛みを感じていた。



だから、ぼくは願うんだ。



空には、透明な雲があって。


ぼくの君への気持ちを、遮って欲しいと。



君の笑顔を、思い出しながら。


ぼくは、もう一度笑おうとした。



『透明な雲に隠れる君』