19 『ぼくの、心の奥深くに』
普段とは違う時間を、ぼくは旅先で感じていた。
時が流れるスピードや、風の匂い。
そして、肌を刺す空気の痛さ。
そんな些細なことさえも。
確かに、なぜかぼくを少しだけ不安にさせる。
君と離れていると、ぼくは本物ではないんだ。
君と過ごした何気ない時間が。
ぼくにとって、間違いなく生きがいだったのだと。
ぼくは君と離れてみて、いま確かに感じている。
何気ない君という存在が。
実は、ぼくにとって一番大切なものなんだって。
うん、いま確かに。
流れる時は止められないとしても。
ぼくは、ずっと君を想い続けるんだ。
だって。
ぼくの、心の奥深くには。
確かに、君を留めておくことが出来るのだから。
きっと。
いつまでも、ずっと……。
『ぼくの、心の奥深くに』
了