13 『あの言葉を、再び』
久し振りに逢った君は。
あの頃よりも、ずっと大人になっていて。
ぼくは、少しホッとしたと同時に。
少しだけ、寂しさを感じてしまったんだよね。
あの頃、君は。
帰ろうとするぼくに、よく言ったっけ。
「帰したくないな……」と。
あれから過ぎた、長い時間と。
様々な経験が。
君を強く、幸せそうに見せていた。
本当は、ぼくが。
君と一緒に時間を過ごしながら。
そんな経験を君に与えたかったのに……。
そんな後悔が、ぼくの胸を刺す。
帰り際に、ぼくは。
君の笑顔を見ながら、つぶやいたんだ。
「帰したくないな……」って。
ぼくの、心の中だけで……。
『あの言葉を、再び』
了