2 『少しだけ寂しさを感じながら願ったこと』
初めて君に逢ったとき。
ぼくは、君の美しさに目を奪われた。
そのときの君は、少しだけ冷たそうに見えて。
正直、ぼくは君を。
苦手なタイプだと思ったんだよね。
二回目に逢ったとき。
ぼくには、まるで君が。
全く、別の女の子みたいに見えた。
あぁ、君は。
そんな風に笑うんだ……。
ぼくの君に対する間違った印象が。
君の、そんな笑顔を見たとき。
一瞬にして、消え失せてしまったんだ。
「もし良かったら、今度食事でもご一緒しませんか? ゆっくりお話したいですし……」
別れ際に、ぼくは。
君に、そんな言葉をかけながら。
じっと、君の瞳をみつめた。
君は、ただ楽しそうに笑うだけで。
ぼくは、少しだけガッカリしたっけ。
そして、三度目に逢ったとき。
君は、ぼくに。
また、違った顔を見せてくれた。
本当に、飾りなく。
自分の気持ちを素直に話す君が。
ぼくには、とても眩しく見えたんだ。
君がいま、大好きだと言う人の話を聞きながら。
ぼくは、それでも平気な顔をして。
君に、男の素直な気持ちを教えながらアドバイスする。
その時、ぼくは感じていたんだ。
偶然の出逢いは、本当にいくつでもあるけど。
こんなに居心地が良い相手は、めったにいないって。
その時、確実に。
ぼくは、君に惹かれていた。
でも……。
ぼくは、君をじっと見つめながら。
心の中の、そんな声を封印する。
そう言えば、今日は七夕だったよな……。
君と別れたあとの帰り道で。
ぼくは、梅雨空の雲の隙間に見えた。
輝く星を見上げながら、願ったんだ。
君が幸せになりますように、って。
うん。
少しだけ、寂しさを感じながら。
『少しだけ寂しさを感じながら願ったこと』
了