『あなたの名前を呼ぶ』



ギュッと枕を抱きしめながら。


わたしは、あなたの名前を口にする。



枕の冷たさと頼りない柔らかさに。


わたしは、あなたがそばにいないことを実感する。



もう一度、わたしは。


あなたの名前を呼んでみた。



こっそりと出したはずなのに。


声が意外に大きくて。


わたしの顔は、赤くなる。



大きな声で、好きと伝えられたら。



大きな声で。


あなたの名前を呼べたら。



どんなに幸せなのだろう。



どんなに……。



『あなたの名前を呼ぶ』