23
12月23日、天皇誕生日。
午後0時45分、俺は恵比寿に居た。
アトレ6階にあるカフェで、美弥を待つ。
オープンテラスの席に座って、俺は冷たいアイスコーヒーを飲んでいた。
今朝、美弥にメールをしてこのカフェで美弥を待つことを伝えた。
俺は美佳子と別れて以来、ずっと考え続けていたんだ。
信じられるものって、何なんだろう?
相手から愛されることなのか?
それとも、俺が愛し続けたいと思えることなのか?
昨日の夜は、なかなか寝付けなかった。
美弥は、俺の知らない誰かと夜を過ごしている。
その事実が、俺を苦しめていた。
愛は、決して永遠なんかじゃない。
ほんの少し、気持ちが行き違っただけで簡単に壊れてしまうものなのだから……。
俺は、どんな結論を出せば良いのだろう?
いったい、どんな……。
そのとき、美弥がカフェの入口に現れた。
俺を見つけた美弥が、微笑みながら軽く手を振る。
今日の美弥も、やはり可愛い。
俺も片手を上げて、美弥に笑顔で答える。
「どうしたの? お茶なんてウチで飲めばいいのに……」
そう言った美弥の笑顔を、俺はじっと見つめる。
俺は、間違いなく美弥を愛している。
だけど……。
美弥の瞳をじっと見つめながら、俺は意を決した。
「あのね、ヒロキ……」
そう言った美弥の言葉を遮って、俺は言った。
「美弥……もう、やめにしないか……俺たち……」
驚いた顔で、美弥が俺の顔を見つめていた。