22
テーブルを挟んで、美佳子と俺は一年半ぶりに向かい合った。
「久し振り、ね……」
美佳子は思ったよりも冷静に、そう言った。
「あぁ……」
気まずい沈黙が続く。
でも今日は、ちゃんと美佳子と話し合わなければならない。
ちゃんと、俺の気持ちを伝えないと……。
「あのね、ヒロキ……わたしたち、もう終わりにしましょう。もう……疲れちゃた……」
予想もしなかった美佳子のそんな言葉に、俺は驚いていた。
「昨日の夜、ずっと考えてた。でも、もう……ヒロキは無理なんでしょ?」
「……うん……美佳子だって、本当はそうなんじゃないのかな?って……」
「そう、ね……そうなのかもしれないね……」
「……美佳子……ごめん、な……」
「わたしも同じだから……ごめんね……ありがとう、ヒロキ……」
美佳子は、そう言ってニッコリと笑った。
それから俺たちは、冷静にこれからの段取りを話し合った。
離婚届は、年内に出したい。
そして、もう真希には逢わないこと。
それが、美佳子が出した条件だった。
そして俺は、それを認めた。
「さようなら、ヒロキ。元気で、ね……」
カフェを出て行く、美佳子の後ろ姿を見送りながら。
俺は、すっかり気が抜けていた。
心が、寒い……。
美佳子と別れること。
それは、俺が望んだ結果だった。
だけど、いざそうなってしまうと。
なぜか、無性に悲しかった。
そして、真希とも俺は……。