12
確かに俺は、初めて美弥を抱いたあの夜以来。
美弥と朝まで一緒に居たことはない。
それは、やはり美弥と。
ズルズルした関係には、なりたくないという気持ちがあったからだ。
妻との決着が着いていない、こんな状況では。
やはり、一線を引きたいと考える俺がいた。
まぁ、今でも十分ズルズルな気もするが……。
美弥からのメールに、もう一度目を落としながら。
俺は、どうしようかと悩んでいた。
23日の午前中に用事がある、と美弥は書いた。
それは、きっと……。
22日の夜から、誰か他の男に逢うという意味だろう。
その男と一晩過ごして、それから俺と逢おうということだよな……。
「まぁ、仕方ないか……」
そう呟きながら、俺は。
それでも、胸が痛むのを感じていた。
美弥がその夜逢うのは、どんな男なんだろう?
その夜、美弥はその男と愛し合うんだよな……。
そして美弥は、その男のことを。
俺よりも、愛しているんだ……。
俺は、ひとつ小さな溜め息をついて。
美弥に、メールの返事を書き始める。
件 そうだな……。
じゃあ、13時に美弥の部屋に行くよ。
大丈夫かな?
メールを送った後に、俺は。
少しだけ、後悔していた。
何が「大丈夫かな?」だよ……。
ケータイを、デスクの上に置いた充電器のクレドールに戻しながら。
俺は、もう一度溜め息をついた。