こんな時間に、真希ちゃんがどうして……?



そのとき俺は、予想もしなかった状況に動揺していたに違いない。



真希をリビングに通して、革張りのソファーに座らせる。



俺は真希に冷たい麦茶を出しながら、こう言った。



「ありがとう……心配して来てくれたんだよね?」


そんな俺の言葉に答えるでもなく、真希は泣き続けていた。



困ったな……。



俺は真希の隣に座って、泣き続ける真希をただ見つめていた。



しかし、なぜ真希は俺のところに来たのだろう?


真希自身に、何かがあったのだろうか?



いや、きっとそうに違いない。



そのとき、真希がゆっくりと口を開いた。


「……ママからメールが来たの。お兄さんが一方的に悪いように書いてあったけど、私は知ってるから……」


「えっ?何を知ってるの?」



俺たちの夫婦生活を、真希は何も知らないはずなのに……。



「わたしは、お姉ちゃんのこと良く知ってるから……」



そうか……。



俺は、そのとき気づいたんだ。


きっと真希は自分自身を今の俺の状況に重ねているんだ、ということに。



真希にとって、今の俺は唯一の味方なのかもしれない。



逆に言えば、俺の唯一の味方は真希ということなんだよな……。



そのとき、突然。


真希が、俺にゆっくりと抱きついて来た。