真希は、妻の3歳下の妹だ。



長い間、独り暮らしをしている真希は。


元々、家族との折り合いが悪かったらしい。



そして妻との仲も、あまり良好ではなかったようだ。



だから妻が家を出るまでは、真希は俺の家に近寄りもしなかった。



俺が真希と初めて逢ったのは、俺たちの結婚式だった。



妻は、どちらかと言えば地味なタイプの女だ。


ファッションもカジュアル中心で、あまり目立つことが好きではなかった。



真希は、バリバリ仕事をこなすキャリアウーマンタイプで。


結婚式のドレスも華やかで、少し派手過ぎる感じがした。



妻とは、全く違ったタイプの真希のことが。


そのときから、俺は少し気になっていたのかもしれない。



だけど、それ以来真希に逢う機会もなかった。



だから、真希の存在すらも俺は忘れていた。



妻が家を出て、しばらく経った頃のことだ。


俺のマンションに、突然真希が訪ねて来た。



「真希、ちゃん?……どうしたの、突然?」


「お兄さん、ごめんなさい……お姉ちゃんひどすぎるよ……」



真希は涙を流しながら、俺に抱きついて来た。



俺は、どぎまぎしながら真希を反射的に抱き締めていた。



俺が思っていた真希とは違う、真希がそこに居た。



弱くて、護りたくなるような真希の姿に。


俺は、戸惑いを感じていた。



時計の針は、0時を過ぎていた。