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美弥と出逢ったのは、何のパーティーだったろうか?
その頃には、もう妻との関係は破綻していて。
数ヶ月も別居状態が続いていた。
家に帰っても、何も楽しいことはない。
逆に夫婦生活の匂いが未だに残るあの部屋に居るのは、居心地が悪かった。
だから俺は、仕事で遅くなる以外はいろいろなパーティーに顔を出すようにしていた。
美弥に逢ったのは、そんなどうでも良いパーティーでのことだ。
美弥に初めて逢ったとき、俺は不思議な感覚を感じた。
今までになかったほどの、居心地の良さ……。
それは、ほんの少し言葉を交わしただけでも確信出来るほどだった。
それでもその日は、ただ美弥とケータイ番号を交換して別れた。
次の日の20時頃に、美弥から突然電話が掛かって来た。
たまたまオフィスに独りきりだった俺は。
タイミング良く、電話で話が出来た訳だ。
そのとき美弥が言った言葉に、俺は正直戸惑った。
「ねぇ、これから逢いたいの……そうねぇ……恵比寿に行きたいお店があるの……来てくれるよね?」
それでも甘えるような美弥の声に、俺はすぐに応えてしまった。
「分かった。これから行く」って……。
その夜、店で一杯呑んだあとに。
結局、俺は美弥の部屋に行って美弥を抱いてしまった。
俺よりひと周り以上若い美弥の体は、俺にとってまるで麻薬のように魅力的だった。
それからは、月に数回のペースで美弥と逢った。
たまに逢って、美弥の部屋で美弥を抱く。
それが、いつの間にか俺の日常になっていた。
だけど……。
俺は、美弥を自分だけの女には出来なかった。
美弥と逢うのは、美弥のスケジュール次第だった。
美弥は俺だけじゃない、他の男と逢うのに忙しかったからだ。