20
ぼくは、とびっきりの笑顔が撮りたかった。
君が撮りたいと言った。
世界中の子供たちの笑顔を撮るために。
ぼくは、旅を続ける。
でも。
あの時の、君以上の笑顔には。
ぼくは、まだ出逢えないでいた。
ぼくは、君のデジカメで。
いろいろな笑顔を撮影する。
だって。
そうすれば。
君の瞳が、ぼくの目になる。
そんな気がするから。
ぼくは、君の笑顔と。
キラキラ光る瞳に恋をした。
だから。
ぼくは、ずっと君を待ちながら。
独りで、旅を続けるんだ。
いや、君と一緒に。
ずっと、君を待ちながら……。
ぼくは、病院のベッドに横たわる。
相変わらず動かない、君の姿を見つめた。
そのとき、一瞬。
君の顔が、優しく微笑んだように見えたんだ。
うん。
確かに……。
『君の瞳が、ぼくの目になるとき』
了
CopyRight by Hiroto Izumi 2006&2008