5
「本当に、どうもすいません!」と平謝りの彼女。
「いや、大丈夫ですよ!大して痛くなかったし……」
ホントは、すごーく痛かったんだけど……。
彼女は、何度もぼくに頭を下げる。
何度も何度も、必死で謝る彼女。
さすがにぼくは、ちょっとかわいそうになってきた。
「逆に、ごめんなさい。ぼく、ちょっとイヤなことがあって、機嫌悪くて……」
その言葉を聞いた彼女は。
ぎこちなく微笑んで、ぼくの目をじっと見つめた。
ドキっ!
こんなキレイなひとが、ぼくをじっと見てるなんて……。
もしかしたら、これって大チャンスかもな……。
その時のぼくは、どうかしていたのかもしれない。
今思うと、どうしてそんなことが出来たんだろうって思う。
だけど、ぼくは。
思い切って彼女に電話番号を聞いたんだ。
「あの……もし良かったら、お名前と電話番号を教えていただけませんか?」って……。
「ええ、いいですよ!」と、ニッコリ微笑む彼女。
えっ!?
やった!
ぼくは、彼女が言う名前と番号をメモに書いた。
その夜、ぼくはドキドキしながら電話をかけた。
「あっ、もしもし……。ぼくです、分かりますか?」