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東銀座の駅に着いた、ぼくは。
急いで、地上への階段を駆け上がる。
チラっと見た、ぼくのTITUS Panther(チタス・パンサー)の針は。
午後1時5分を示していた。
地上に出た、ぼくは。
一目散に、あの場所を目指す。
有香は、必ずぼくを待っている。
あの場所で、必ず……。
そして、ぼくは。
目的の場所までやって来た。
そこは。
有香と初めて逢った場所だった。
マンホールの上に立った、ぼくは。
辺りに、有香の姿を捜す。
いない…。
ぼくは、ひとつため息をつく。
ぼくの予想は、間違っていたのだろうか?
いや、そんなはずはない。
この場所は、ぼくと有香の原点だ。
3枚の写真の流れから言っても。
この場所に間違いないはずなんだ……。
ぼくは、不安な気持ちを。
そう思うことで、押さえ込んでいた。
そのとき。
ぼくのケータイが、ブルブルと振動を始めた。