第5章 ライカとkissと、君からのメール
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ぼくは、軽井沢駅から新幹線あさま号に乗る。
寝不足と疲れで。
体はシートに吸い込まれるように、重かった。
ぼくは、目を閉じて考えていた。
有香が言いたかったのは。
きっと「エルマーのブログ」に違いない。
ぼくと、有香。
そして、エルマーは。
間違いなく、家族だった。
有香にとっては、頼りないぼくだっただろうが。
あのとき、間違いなく。
ぼくたちは家族だった。
そんな関係をダメにしてしまったのは。
きっと、ぼくのせいなんだ。
有香のことを、もっと。
ちゃんと、理解すること。
ちゃんと、思いやること。
それが、ぼくには足りなかったんだ……。
いつの間にか、ぼくは眠ってしまったらしい。
気が付くと、新幹線は。
ちょうど上野駅を発車するところだった。
軽井沢で有香を探すのは、やめにした。
とにかく、ぼくは。
「エルマーのブログ」を探すことにしたのだ。
有香が、ぼくに伝えたかったのは。
「エルマーのブログ」に違いない。
果たして、正しいかどうかは分からないけれど。
ぼくは、そう確信していた。