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真っ白な雲を見つめながら。
ぼくは、しばらくの間考えていた。
有香を追いかけていても。
もう意味なんて無いのかもしれない。
だけど……。
ぼくは、坂の頂上に有香の姿を見たとき。
ただ、有香の姿を追いかけようとした。
ペダルに力を込めて。
ただ、自分の気持ちに正直に……。
諦めたら、その瞬間に。
全ては終わってしまうんだ。
ぼくと有香の未来も、その瞬間に……。
そして、ぼくと有香が過ごした3年という時間も。
すべてが幻になってしまう。
ぼくは、そんな気がしていた。
ぼくは、自転車に飛び乗って。
坂道を下り始める。
諦めることは、いつだって出来る。
だから、ぼくは今。
まだ、真っ直ぐに先を目指して進むんだ……。
スピードに乗ったまま。
ぼくは、また坂道を登り始める。
思い悩んでいたって、結果は変わらない。
ぼくは、必死で坂道を登る。
見上げた空には、青空が広がっている。
どこまでも、高く……。