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思わないようにしようとしても。
やはり、ずっと。
ぼくの胸の奥には、そんなわだかまりが残っていた。
何度も、勇気を持って。
ぼくは、そんな思いを否定してきたけれど。
でも、やはり。
どうしても不安な気持ちは消えなかった。
ソウルを離れる頃から。
そんな思いは、また大きくなっていった。
そして、ぼくは。
いま、何のために有香を追うのか?という。
その意味さえも、見失いそうだった。
ぼくの心の拠りどころは。
それでも、有香を信じ続けることしかなかった。
有香が、ぼくの1日前に。
間違いなく、残した写真の場所を訪れている。
その理由を。
ぼくは、それでも前向きに信じるしかない。
有香は、それでも。
ぼくを待っている。
ぼくは、そう信じようと努力していた。
考えても、真実は分からない。
でも、ぼくは。
やはり、有香を完全には失いたくなかったんだ。
有香を追う旅は。
すでに5日目になっていた。