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東京駅から新幹線あさま号に乗って。
ぼくは、軽井沢へと向かう。
3年前の、あの時も。
ぼくと有香は、新幹線で軽井沢へと向かった。
軽井沢へは、新幹線でほんの70分ほどだ。
ぼくは、窓際の席に独り座りながら。
窓の外を流れる景色をボーっと見ていた。
有香は、いま何をしているのだろう?
有香は、3枚の写真の通りに。
ぼくが訪れる1日前に、写真の場所に現れていた。
なぜ有香は、そうしているんだろう?
ぼくは、目を閉じて。
有香の取っている行動の意味を考え続けていた。
もしも、有香が。
ぼくのことを、もう完全に見捨てていたとしたら。
そんな無駄な行動は取らないだろう。
でも……。
1枚目の写真が撮られた、みなかみに。
有香は、男と現れた。
ぼくと有香の、思い出の宿に……。
考えないようにすればするほど。
やはり、そんな事実がぼくの胸を締め付けていた。
有香が、あのとき。
男と、あの宿を訪れたのは間違いのない事実だ。
でも。
ソウルには、たぶん。
有香は独りで行ったと思う。
でも……。