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「…………の、ブログ……」



えっ?



有香は、何かを口にしたが。


周りのざわざわした音に掻き消されて。


「ブログ」という言葉しか、ぼくには分からなかった。



「ブログが、どうしたんだ!有香!」



有香は、ぼくのそんな問いかけには応えずに。


寂しそうな横顔を一瞬見せて。


そのまま、歩き出した。



「有香!待ってくれ、有香!」



有香の、後姿は。


そのまま、出国ゲートの奥に消えた。



有香……。



いったい、有香は。


どうしてしまったのだろう?



有香を追いかけてきた、ぼくを。


結局、突き放すというのか?



ぼくは、呆然と立ち尽くしながら。


それでも、有香が残した言葉の意味を考えていた。



有香が残した「の、ブログ」という、言葉……。



その意味は、いったい何なんだろう?



有香は、ブログなんてやっていないはずだ。


だとしたら、「の、ブログ」という意味は?



ぼくは、混乱しながら。


それでも、決心したんだ。



ぼくは有香を、まだ諦めない、って……。