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金浦(キンポ)空港から、ツアーバスに乗って。


ぼくは、ソウルのホテルへと向かった。



飛行機の中でも、感じていたことだが。


こんなツアーに男ひとりで参加するのはかなり珍しいようだ。



20代~40代の女性客がほとんどで。


ぼくは、そんな女性たちから好奇の。


……いや、怪訝な目で見られまくっていた。



確かに、男ひとりの参加者は怪しすぎるだろう。



男がいるとしても、2~3人のグループで。


元々そんな客も、ほとんどいないのだから。



いったい何をしに来たのだろう?


仕事って感じでもないし……。



たぶん、そんな風に思われてるんだろうな……。



ぼくは、そんなことを思いながら。


そんな怪訝な視線には、そ知らぬふりをしていた。



羽田空港で買った、ソウルのガイドブックに目を落としながら。


ぼくは、あの日の有香のことを思い出していた。




あの日、ぼくは。


有香と行く、初めての海外旅行に。


とてもテンションが高かったような気がする。



今回と同じような時間で。


ぼくたちは、ソウルにやって来た。



あのときも、こんなツアーバスに乗って。


ソウルのホテルに向かったっけ。



ロッテホテルに入った、ぼくたちは。


ツインルームのそれぞれのベッドの上で、荷を解いて。


そして、窓からの夜景を見た。



ぼくは有香を、やさしく抱き締めながら……。