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有香は、ぼくにヒントを残してくれた。
数字のトリックは、ぼくと有香の日常から解く鍵を思いついた。
だから、ぼくは。
やはりそれが、ただの偶然だとはどうしても思えなかった。
いや、思いたくなかったんだ……。
有香が、誰か他の男とあの旅館を訪れたことも。
ぼくは、もう気にしない。
もう、そんなことはどうでもいいんだ……。
ぼくは、そう思い込むことで。
不安な気持ちを封じ込めようとしていた。
本当のことを、言えば。
ぼくは、不安で不安で仕方なかったんだ。
だけど、今。
ぼくは勇気を振り絞って、有香を見つけ出そうと決意していた。
だから、ぼくは。
いま、ソウルに向かう。
有香は、間違いなくぼくを待っている。
間違いなく、きっと……。
2枚目の写真は、ソウルの南大門をバックに撮られたものだった。
有香は、きっとその場所を訪れるはずだ。
何の確証もないけれど。
ぼくは、そう信じることにした。
そして。
有香が、ぼくに伝えようとしたことは何なんだろう?
ぼくは、飛行機のiシートに体を預けながら。
ゆっくりと、目を閉じた。