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ぼくは、1枚目の写真を元の場所に置いて。
真ん中に置かれた、2枚目の写真を取り上げる。
その写真は、韓国で撮られたものだった。
1年前のゴールデンウィークに。
ぼくと有香は、ソウルへ旅行に行った。
「なんか、さ……本場のサムギョプサル(豚バラの焼肉)食べたくない?行こうよ、韓国……」
そのときも、有香は。
ぼくの大好きな笑顔で、やさしく頷いてくれたっけ……。
写真は……
南大門(ナンデムン)市場の、一番はずれで撮影されたものだ。
抜けるような青空の下に、道路を挟んで小さく宗礼門(スンネムン)が見える。
道路を行きかう車の手前に。
腰に両手を当てて宗礼門を見ている、ぼくの後ろ姿が写っていた。
宗礼門は、通称『南大門(ナンデムン)』と呼ばれている。
韓国最古の木造建築で、韓国の第1号の国宝だ。
しかし、この門は。
2008年2月に、放火によって石造の門を除いた。
木造部分のほとんどが焼失してしまった。
写真を撮った、このときには。
南大門が、その長い歴史を感じさせるように。
威厳ある、しっかりとした姿で建っていた。
ぼくは、そんな写真を見ながら考えていたんだ。
南大門も、そうだったように。
永遠に続くものなんて、ないのだろうかって……。