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ぼくは。


有香の、実家の連絡先さえも知らなかった。



ぼくは、有香に。


そんなことを、聞こうとも思わなかったのだ。



それに、ぼくは。


有香の友達さえも、誰も知らない。



逆に言えば、ぼくも有香に。


実家のことや、友達のことは全くといっていいほど話していない。



それが、二人にとっての当たり前だと思っていた。


だけど……。



それが、有香にとっては。


決して、当たり前のことではなかったのかもしれない。



ぼくは、有香の何を知っていたのだろう?



ぼくと有香、二人だけの関係。


ぼくは、それだけで満足していた。


だけど……。



ぼくは、また。


いまさら、そんなことを考えていた。



ぼくは、間違いなく有香のことを愛している。


有香が去ってしまってから、なおさら。


ぼくは、そんな強い想いを感じていた。



有香を追いかけて、もう一度やり直したい。


だから、ぼくは必ず有香を見つけ出す。



いずれにしては、ぼくには。


有香の行方を、誰かに聞くことは出来なかった。



残された、ヒントは。


この3枚の写真だけなのだ。