18
溢れ出す涙を拭った、ぼくは。
もう一度、じっと写真を見た。
そして、ぼくは考えを巡らせ始める。
この写真を残して行った。
有香の思いを、しっかりと感じようとして……。
3枚の写真は、どれも有香と行った旅先で撮影されたものらしい。
らしい、というのは。
その3枚の写真は、なぜか。
ぼくが撮ったものでは、なかったからだ。
ということは、有香が撮ったということになるのだが……。
有香は、いつの間にこんな写真を撮っていたのだろうか?
写真は、いわゆるサービスサイズの大きさで。
いずれも、フィルムで撮影されたものではないと思われた。
それは、写真の画像の質と色合いを見れば分かることだ。
デジタルで撮影されたらしい、この写真は。
見た感じ、解像度が低い。
3枚の写真は、いずれも屋外の日中に撮影されたものだ。
どの写真も、同じような解像度と色合いだった。
つまり、ちゃんとしたカメラで撮られたものではなく。
ケータイのカメラで撮影されたものだろう。
有香が使っていたケータイは……。
確か、200万画素クラスのものだったはずだ。
有香は、いつの間にこんな写真を撮っていたのだろう?
そのことさえも気づかなかった、ぼくは。
また、少しだけ暗い気持ちになっていた。