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次の電車が来るまでの、数分間が。


ぼくには、とても長い時間のように感じられた。



ぼくの部屋に戻ったとしても。


きっと何かが変わるわけじゃない。



だけど、とにかく。


まずは、ぼくの部屋にまず帰らなくてはならないと感じていた。



しかし、有香の電話は。


なぜ、すぐに繋がらなくなってしまったのだろう?



あのメールを送って、すぐに。


ケータイを解約したということか……。



ぼくは、やけに冷静に。


なぜか、そんなことを考えていた。



次に来た電車を、品川で乗り換えて。


それからまた少し待って、次に来た普通電車に乗る。



やっとのことで青物横丁に着いた、ぼくは。


駅の改札を飛び出して、小走りにぼくの部屋へと急いだ。



ぼくは、部屋に着く。


玄関のドアを開けて、短い廊下の先はまたひとつドアがあって。


そこは、リビングになっている。



リビングに入ると。


薄く開けられたベランダ側の窓から風が入って。


半透明の白いレースのカーテンが、ただ揺れていた。



そして、リビングの中央にあるテーブルの上には。


ぼくが去年のクリスマスに、有香に贈った。


3連ダイヤのネックレスが、ポツンと置かれていた。