15
次の電車が来るまでの、数分間が。
ぼくには、とても長い時間のように感じられた。
ぼくの部屋に戻ったとしても。
きっと何かが変わるわけじゃない。
だけど、とにかく。
まずは、ぼくの部屋にまず帰らなくてはならないと感じていた。
しかし、有香の電話は。
なぜ、すぐに繋がらなくなってしまったのだろう?
あのメールを送って、すぐに。
ケータイを解約したということか……。
ぼくは、やけに冷静に。
なぜか、そんなことを考えていた。
次に来た電車を、品川で乗り換えて。
それからまた少し待って、次に来た普通電車に乗る。
やっとのことで青物横丁に着いた、ぼくは。
駅の改札を飛び出して、小走りにぼくの部屋へと急いだ。
ぼくは、部屋に着く。
玄関のドアを開けて、短い廊下の先はまたひとつドアがあって。
そこは、リビングになっている。
リビングに入ると。
薄く開けられたベランダ側の窓から風が入って。
半透明の白いレースのカーテンが、ただ揺れていた。
そして、リビングの中央にあるテーブルの上には。
ぼくが去年のクリスマスに、有香に贈った。
3連ダイヤのネックレスが、ポツンと置かれていた。