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銀座の歩行者天国を歩きながら。
ぼくは、久しぶりの撮影に没頭していた。
歩行者天国の一番端まで、のんびりと歩いて。
道路の真ん中に立って、まばらな人越しに見える混雑した人ごみを見る。
そして、ぼくは。
道端にボーっと座った若者の肩越しに。
楽しげに行きかう、若い女の子たちを撮影する。
撮影しながら、ぼくは。
ふと、こんなことを考えていたんだ。
都会には、あらゆる場所に孤独が存在する。
そしてそれは、もしかしたら。
独りぼっちじゃなくて、誰かと一緒にいたとしても。
そんなとき、心の中に湧き上がる不安と寂しさは。
もしかしたら、一緒にいる相手のせいなのかもしれない、って。
もしかしたら、ぼくだって。
有香に、そんな孤独感を感じさせていたのかもしれない。
もしかしたら、ずっと……。
ぼくは、そんなことを考えながら。
大通りから、2本くらい裏道に入って。
寂れた古い店や、懐かしい感じのする路地を撮影する。
こんな都会のど真ん中でも。
少し大通りから外れると、信じられないくらい古い場所が現れる。
それは、本当は。
ずっと存在している、当たり前の場所なのだけれど。
なんとなく、不思議な気持ちがするものだ。
ぼくの日常には、あまり関わりがない場所だから。
そう感じてしまうのかな……?
そのときぼくは、そんな風に感じていた。