第1章  君が消えた日



その日、ぼくは。


日曜日にしては珍しく、朝9時前に目を覚ましていた。



いつもならば、昼近くまで眠っていることが多い。


君と、一緒に。


君を、抱きしめながら……。



ぼくは、シャワーを浴びながら。


ずっと、君のことを考えていた。



昨日の、君の様子が。


ちょっと、気になっていたからだ。



ぼくは、決してカンが良いほうではないけれど。


やはり、少し不安だったんだ。



昨日の、君の笑顔が。


いつもとは少し、違う気がしたから……。



ライカと露出計をカメラバックに入れて。


ぼくは、マンションの部屋を出る。



そのとき、エルマーが。


ぼくの背中から、寂しそうに「ニャー」と鳴いた。



駅までは、ゆっくりと歩いても約5分の道のりだ。



カメラバックを肩から下げたぼくは。


ゆっくりと、真っ青な空を見上げる。



日差しが眩しかった。



今日は少し、暑くなりそうだな……。



そのときの、ぼくは。


それでも呑気に、そんなことを考えていた。