ぼくは、久しぶりの撮影に。


少しばかり、心が躍っていたに違いない。



だから、ぼくは。


きっと、君の変化に気づけなかった。



君が、何を考えていたのかなんて。


そのときぼくは、まったく知らなかったんだ……。



ベッドに、ゆっくり横になると。


エルマーが、ぴょこんとぼくの腹の上に乗っかって来た。



「おいおい、エルマー!乗っかるならゆっくり来いよ……」


ぼくは、エルマーにそう言いながら。


エルマーを、ギュッと抱き締める。



エルマーの頭を優しく撫でると。


エルマーは、ゴロゴロと喉を鳴らして喜んだ。



明日、どこに行こう……。


やっぱり、あの場所かな……。



ぼくは、君と出逢ったあの場所のことを考えていた。



薄いクリーム色をした天井を見上げる。



いま、ぼくのそばには君がいない。


いつもはいるはずの、君が……。



ぼくは、もう一度少しだけ寂しさを感じながら。


明日の撮影は、銀座に行くことに決めた。



ゆっくりと、目を閉じると。


初めて逢った、あの時の君の姿が。


ぼんやりと、見えたような気がした。