土曜日の夜にひとりで居るのは、最近では珍しいことだった。



やはり、少し寂しい。



そして君も、同じように寂しいと感じているに違いないって。


そのとき、ぼくは。


そんな風に思っていた。



週末は、君と一緒に過ごすことが。


いつの間にか、当たり前になっていた。



そしてぼくは、本当のことを言うと。


そんな日常に、少しだけ息苦しさを感じていたんだ。



ぼくは、ジュラルミンのカメラケースから、ライカM3を取り出す。


そして、いくつかあるレンズの中からズミクロンのM50mm/f2を選んだ。


レンズフードは、もちろん12585Hだ。



それは、ぼくの好きな組み合わせだった。



ボディーに、レンズをカチャっとセットして。


それから、ライカメーターMRもセットする。



コダックT-MAX、ISO100のモノクロフィルムを装填して。


ゆっくりと、巻上げとシャッターの具合を確かめる。



今日も、良い感じだ……。



念のためにセコニックの露出計、スタジオデラックスも持って行くことにしよう。


……これで良しっ、と。



セーム革でライカを包んだぼくは。


それをダイニングテーブルの真ん中に、そっと置いた。