その13
「コージ、俺が悪かった……本当に、ゴメン……」
ユージは深々と頭を下げながら、俺にそう言った。
「……お前が謝らなきゃならないのは……チカだろ?」
「……いや、チカには感謝してる……結果的には辛い思いをしたとしても……俺が謝りに来たのは、お前と……お袋だよ」
えっ?
俺は、ユージの意外な言葉に戸惑っていた。
「……あの時、俺は……お袋のことがどうしても許せなかったんだ。そして、お袋をかばうお前のことも……」
ユージは、ひとつ息を吐いて言葉を続ける。
「俺はお袋が間違っていると思ってた。だけど……時間が経って分かったんだよ」
「……何が分かったんだ、ユージ?」
「お袋がただ悪い訳じゃないんだって……親にだって、俺たちには分からない事情があったってことさ」
あの時、俺たちの家族はバラバラになった。
両親は、お互いを憎んで、それぞれに味方した俺とユージも……。
「だから、俺はお前とお袋に謝るために日本に帰って来たんだ。悪かったな、コージ……」
「分かったよ……それは、俺も同じだ。俺も、お前と親父に謝らなければならないよ……悪かったな、ユージ……」
俺はユージに、頭を下げてそう言った。
「だから……お前は間違ってるぞコージ。チカが好きなのは俺じゃない」
ユージは、真面目な顔で俺にそう言った。