その6



チカとぼくの関係は、そんな微妙なバランスの上に成り立っていた。



そんなある日、ぼくのパソコンに一通のメールが届いた。




Sub : 久しぶり!



元気にしてるか、コージ?


ロンドンは、まだまだ真冬だよ。


日本は、もう暖かくなって来た頃だよな。



急だけど俺、一度日本に帰ることにしたよ。


謝らなけばならない人だっているし、な……。



今週末には、一度顔を出すよ。


じゃあな!



ユージ




マジかよ!


ぼくは、パソコンの前で頭を抱えていた。



本物のユージが帰って来る?



謝りたい人って、もしかしたら……。


いや、それは、きっと……チカだ……。



ぼくは、一体どうするべきなのだろう?


とにかく、あと数日で本物のユージがチカの前に現れてしまう……。



そうなる前にぼくは、チカに本当のことを話さないと……。


でも……。



いや、これはもう、どうしようもない事なんだよな……。



チカにずっとついていた嘘が、結局ずっとぼくを苦しめていた。


そしてそんな嘘が、結果としてチカに対しても中途半端な態度として現れてしまうんだ……。



ぼくは、間違いなくチカを愛している。



そんな事実を再確認しながら、ぼくはチカに電話をしたんだ。