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次の朝、目を覚ますと

ぼくは昨日の、そのままの服でベッドに寝ていた。

いつの間にか、眠ってしまったらしい。


昨日、葵から告げられた事実が夢ならば良いのに……。


ぼくは、まだボーっとする頭で

そんなことを考えていた。


時間が経って、頭がスッキリし始めて

ぼくは、昨日のことが間違いなく現実であることを悟った。


ぼくは、いま確実に

藤香に関する過去の事実と

葵から告げられた事実を

ハッキリと覚えていた。


ぼくは、もう逃げたくない……。


そんな思いが、ぼくを覚醒させたのだ。


そして、ぼくはいつものように会社へと向かう。


仕事に没頭していれば、他のことは忘れられる。


そう思いながらも、ついつい

ぼくは、藤香のことを考えてしまう。


そして、もちろん

亜紀のことも……。


「明日の午後8時に、品川駅の港南口広場に必ず来て欲しい」

亜紀は、昨日の夜にそんなメールを寄こした。


「大事な話があるの……何があっても、必ず来てください……」

そんな亜紀の言葉に、ぼくの心は震えていた。


それは、ぼくが思っていた以上に

強く、激しく、ぼくの心を揺さぶっていたのだ。