39
ぼくは、やっとのことで公園にたどり着いた。
真っ先に、ベンチを確認する。
ベンチには、藤香がいて
ぼくを見て、にっこりと微笑む……。
一瞬そんな幻覚を見た、ぼくは
その場所には、本当は誰もいないことにすぐに気づく。
なぜだ、藤香!
なぜ、また消えてしまったんだ!
また、ぼくを残したまま
どうして、行ってしまうんだよ!
どうして……。
ぼくは、その場に倒れ込む。
頭が割れるように痛い……。
そして、ぼくは
消えゆく意識の中で、藤香の笑顔を思い出していた……。
気がつくと、ぼくは
病院のベッドに寝ていた。
頭がズキズキと痛む。
いったい、ぼくはどうしたんだろう?
この痛みからすれば、きっと
ぼくは、頭を強く打ったに違いない。
でも、幸いなことに
名前も、住所もちゃんと思い出せる。
だけど……
なぜかは、良く分からないのだが
ぼくは、何かを忘れている気がしていた。
とても大切な、何かを……。