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ぼくは、やっとのことで公園にたどり着いた。


真っ先に、ベンチを確認する。


ベンチには、藤香がいて

ぼくを見て、にっこりと微笑む……。


一瞬そんな幻覚を見た、ぼくは

その場所には、本当は誰もいないことにすぐに気づく。



なぜだ、藤香!

なぜ、また消えてしまったんだ!


また、ぼくを残したまま

どうして、行ってしまうんだよ!

どうして……。


ぼくは、その場に倒れ込む。

頭が割れるように痛い……。


そして、ぼくは

消えゆく意識の中で、藤香の笑顔を思い出していた……。



気がつくと、ぼくは

病院のベッドに寝ていた。


頭がズキズキと痛む。


いったい、ぼくはどうしたんだろう?


この痛みからすれば、きっと

ぼくは、頭を強く打ったに違いない。


でも、幸いなことに

名前も、住所もちゃんと思い出せる。


だけど……

なぜかは、良く分からないのだが

ぼくは、何かを忘れている気がしていた。


とても大切な、何かを……。