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ぼくは、よろよろと藤香の病室へ向かう。


ぼくは、確実に

いま、藤香を愛している。


そのことを強く感じながら

ぼくは、藤香の元へと必死で向かった。


背中と頭、そして左の腰が激しく痛む。

しかし、そんなことはどうでも良い。


ぼくは、今ただ

藤香に逢いたくて仕方なかった。


藤香の病室に入ると

なぜか、藤香のベッドは

きれいに片づけられていた。


藤香……?

どこだ! 藤香っ!


ぼくは、きれいに片づけられたベッドを見たとき

本当は分かっていたのだ。


藤香は、もうどこにもいないんだと……。


いや、しかし

そんなことが、あるはずがない……。


そんな信じたくない事実を、必死で否定する。

ますます酷くなる頭痛と闘いながら、ぼくは病室を出た。


ぼくは、フラフラとあの公園へ向かっていた。

藤香と初めて愛を確かめ合った、あの公園へと……。


藤香は、きっと

そのベンチに座っている。

ぼくが来るのを待っている。

きっと、待ってるんだ……。