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薄黒い灰になった薄いもの……。

それは、燃やされた一枚の写真だった。


その写真、は……。

間違いなく、藤香とふたりで撮ったあの写真だった。


灰になった、その写真には

色を失った、ぼくと藤香の姿がうっすらと分かる。


それを、手に取ろうとした瞬間

写真の残骸は、ボロボロに砕けて落ちた。


「尚子のヤツ……こんなことまで……」


ぼくは、いつの間にか

シンクに両手をついて、激しい涙を流していた。


しかしぼくは、尚子を責める気にはならなかった。


全ては、ぼくのせいなのだから。

尚子は、何も悪くない。

悪いのは、ぼくだ……。


尚子に対しての思いは

やはり、ぼくを苦しめていた。


しかし、ぼくは藤香を……。


藤香の背負ってしまった

酷い運命を思うと

ぼくは、どうしようもなく

ただ、ただ悲しかった。


涙を右手で拭いながら

そのとき、ぼくは決心した。


ぼくは、何があっても

ずっと、藤香のそばに居るんだと……。